かつて存在していた未来とは違う『未来』について

最近よく聞く、ビッグデータって結局何が出来るの?

 

 

最近メディアやビジネスシーンでビッグデータという言葉を聞く機会が多くなった。

なぜ今ビッグデータは注目されるのか?今回は注目を集める背景とビジネスを中心とした成功事例を見ていこう。

 

 

⬛ビッグデータが注目される背景

アメリカの調査機関IDCによると、国際的なデジタルデータの量は飛躍的に増大しており、2010年の約1ゼタバイト(1.8兆ギガバイト)から2020年には40倍の約40ゼタバイトに達すると予想されている。数字が大きすぎてよく分からないが、爆発的に増えているようだ。

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増加の理由はもちろんインターネットの存在である。今後スマホに加え、GoogleグラスやAppleウォッチなど、身の回りの多くのものがネットに繋がるので、今後もデータの増加は止まらないだろう。

 

膨大なデータが存在し、そのデータを解析することにより、様々なことが予測出来たり、効率化出来る。それがビッグデータである。

 

詳しく知りたい人は総務省のページを。

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc131110.html

 

 

⬛ビッグデータで出来る事:選挙結果や犯罪発生地域を正確に当て、エミー賞を獲る!

では次に、ビッグデータで実際出来ることを見ていこう。

 

✔︎ネイト・シルバー

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まず最初に紹介したいのが、ビッグデータを解析し、データの中から意味を見出すデータサイエンティストの第一人者のネイト・シルバー氏。

 

NYタイムズの記者時代、2008年の大統領選挙では、50州中49の州で2012選挙結果を予測し、2012年の大統領選挙においては、全米50州における投票結果を完璧に予測。

一部の政治の専門家は 投票結果の半分も当てられなかった中である。

 

彼の偉業でビッグデータは大きく注目を集めることになった。

 

その分析手法は選挙区の人種、宗教などの人口動態、世論調査など、様々なデータを過去にさかのぼって蓄積し、確率論を用いた選挙予測モデルを開発するというもの。

 

大統領選前日にNYタイムズオンライン版の全訪問者のうち20%(選挙当日には27%)もの人が、シルバー氏のブログサイトを訪問。600万人もの人が、投票日前日にシルバー氏のサイトを訪れた。

 

2009年、31歳でタイム誌が選ぶ「世界で最も影響力がある100人」に選出。

映画「マネーボール」にはシルバー氏をモデルした役もある。

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 ✔︎Yahoo! JAPANの選挙予測

日本勢も負けていない。

Yahoo! JAPANは2013年7月の参院選の議席予測を各政党などの検索数を元に独自に予測。

約9割という高い精度で議席数を予測した。

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 ✔︎BIG DATA POLICE

カリフォルニア州サンタクルーズ市の警察はビッグデータ解析を元に巡回。逮捕率は5割アップし犯罪件数は2割低下。過去12万件の通報と犯罪記録、天候や街灯の故障箇所、バーの開店時間などのデータを掛け合わせ、その日犯罪が行われるであろう地域を予測。

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 ✔︎ネットフリックス

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ユーザー約3000万人の視聴行為に関するビッグデータ分析を基に制作されたドラマ「ハウスオブカーズ」がエミー賞3部門受賞。視聴者がいつどのような映画やドラマを検索・再生し、どの場面で停止、早送り、巻き戻しをし、最後まで観たかなどのデータを分析。データ分析により監督、俳優、物語の進行が決定された。

 

 ✔ターゲット

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アメリカのスーパーマーケットのターゲットは購買データの分析から妊娠初期の女性はマグネシウム、亜鉛のサプリや無香性の化粧水を購入する傾向があると分析し、数ヵ月後にオムツなどのクーポンを送付し売上増。本人が知る前に妊娠を予測と話題に。

 

✔パナソニック

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自動車内のツイートから「不便」などのキーワードを分析。78%が「生活・飲食」関連で、ファストフードやニンニクなど「ニオイ」が半数を占めた。空気清浄機の「nanoe」のマーケティングに採用しBtoBのビジネスに繋げた。

  

✔エスエス製薬

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Twitterから“風邪”に関する投稿を分析し、風邪が今後流行るのか分析し、自社サイト「カゼミル+」に掲載。

 

✔アマゾン

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サイト内の閲覧・販売データを商品納入メーカーに提供。 POSデータ違い個人単位で閲覧・購買履歴が全て計測されているので、購買の直前と購買以降の継続やブランドチェンジなどのカスタマージャーニーが分析可能。

 

✔︎クックパッド

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レシピの検索、閲覧データを食品メーカーなどに販売。食材の組合せや前後の検索・閲覧から実際ユーザーがどのように食材の使用・比較をしているかが分かる。

 

 

 

最後にビッグデータを活用する上での注意点だが、ネイト・シルバー氏は自身の著書で膨大な情報の大半は立たない”ノイズ”。いかに ”シグナル ”を見つけ出す理論を構築するかが重要と語っている。データはあってもそこから意味を導き出せる人材が不可欠ということであろう。

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また、ビッグデータ活用には個人情報に関する法規制や生活者の理解が大きく関わってくる。またネイト・シルバーのような天才データサイエンティストではなく、人口知能によって解析されるケースも増えている。

 

それらの話はまたの機会にさせて頂きたいと思う。